朝霞市議会議員 外山まき

朝霞市議会議員外山まきです。基本的にFB投稿の転載。お気軽にコメントで絡んでくださいな。

現実は小説より奇なり〜東大ジェンダー論教授のマンスプレイニング公開処刑現場

f:id:makimaki626:20181227165016j:plain


これ、ある方のフェイスブック投稿なのですが、めっちゃ面白いレポートなんで、読んでみて!そして、是非感想コメントを。


#おちんちんよしよしあるある をリアル体現する現場!


「おちんちんえらい」を無自覚に垂れ流す、マンスプレイニング親父の公開処刑現場。現場に居合わせたかったなぁ~


こんな「現実は小説より奇なり」を地で行く現場、そうそうないよ!


東大生5人が起こした、強制わいせつ事件を題材にした、姫野カオルコさんの小説、『彼女は頭が悪いから』を、当の東大でブックトークした、その現場で起こった、東大教授によるマンスプレイニング現場!


その東大教授が、ジェンダー論の教授ってとこがまたまたブラックジョークなんだが


ある方の投稿から、許可を得てコピペ!


▽▽▽▽▽


姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』ブックトーク@東大駒場 瀬地山角フェスティバル!!!】


登壇者


姫野カオルコ(作家)

小島慶子(エッセイスト)

島田真(文藝春秋、姫野さん担当編集)

林香里(東京大学大学院情報学環・教授、MeDiメンバー)

瀬地山角(東大教授、ジェンダー論専門)

大澤祥子(ちゃぶ台返し女子アクション)


姫野カオルコさんが、2016年に起きた、5人の東大男子学生による1人の女子大学生への強制わいせつ事件を題材に著した小説『彼女は頭が悪いから』について、当の東大で企画されたブックトーク、わたしもこの本を読んで、この社会の女性蔑視、男性同士の馴れ合い文化、強者なら弱者を人間扱いしないでいいというメンタリティ、マッチョなマウンティング文化などについてすごく思うところあったし、若い女性や男性にはこういうことが世の中にはあるのだということを知ってほしいと思ったのですすめまくってるし、これは姫野さん本人からこの本について聞けるんなら行くしかない!とすごーく楽しみに行ってみた。


すると!事態は、予想のナナメ上をいくものすごい展開に!!!


そもそも最初の登壇者紹介から姫野さんが「今日はダマされて連れてこられたんです~~、少人数でちょっとお話ししましょ、って感じかと思ったのに」と冗談めかしながらもめちゃくちゃ及び腰。ちなみに200人?くらい入る教室が満席、立ち見も出ていた。


紹介が、東大でジェンダー論の講義を一手に引き受けておこなってらっしゃるという瀬地山角さんまできたとき、姫野さんが「なんか~、瀬地山さんが~、控え室でも、最初っから怒ってはって~、挨拶しても怒ってはって~、小島(慶子)さんが『この近くの保育所に子ども預けたりしてて駒場懐かしい』とか言ってはっても、そこに保育所があったことにすら怒ってはるかんじで~」と笑いながらおっしゃって、会場は誇張しての冗談だと思うからどっと湧いたわけだが。


主催者の林香里さんからは、この企画の趣旨説明「この機会に東大という記号について考え、東大の弱さというものがあるなら、そのことについて考えて発信していくべきなのでは、特に東大の女子学生にも伝えたい」があり、このかたはわたしと問題意識が同じだなと感じた。


ところがである!


瀬地山氏、発言の番になったら、この本の「ファクトチェック」を始め、「三鷹寮はあんな狭いのになぜ広いって書いたんですか」は笑いになったからまだいいとして、「女子学生が1割って書いてありますけど、実際は2割ですよ!」とか(圧倒的少数であることに変わりはないじゃんと思っちゃった)、「東大生は挫折を知らない、みたいな書き方ですけど、みんな苦労してますし、僕だって挫折してますよ!」って、まあ大変なことあったんだろうけど、あんたのことは知らんわ、これ小説だし。と思った。彼の指摘は「リアリティを感じられず、東大生はこんなんじゃない!と思った時点で東大生はこの小説に入り込めなくなってしまう、拒否感が出てしまうから彼らに届かない。挫折を味わって屈折してああいう犯行に及んだっていう話にしたほうが、東大生にもわかってもらえたはずだ」みたいなので、あたしゃ「別に東大生に共感させようと思って書かれた本じゃないでしょ」と思ったyo


それをふつうのテンションで言えばまだわかるけど、なんか知らんが、終始めっちゃ怒りモードで不機嫌全開で、誰かツイッターで指摘してたけど、あれは「俺は不機嫌なんだから、みんなでおれの機嫌をとれ!」に見えるよ。


ジェンダー論の専門家が、「自分のホームである東大で、男性で教授」の自分が、「外部から招いた、アウェイ状態の、喋りが専門の仕事ではない、女性の作家」を相手にあの威圧的な態度、しかも「俺らは中にいるから東大はそんなんじゃないってわかってる、外からテキトーなこと言うなよな」と説教する調子で、何かの冗談かと思いました。


ドッキリで「はーい、みなさーん!こういう態度はマッチョなマンスプレイニングで、家庭内ならDVになりますし、社会においても適切とはとてもいえませんね~~!こういう態度を取らないように気をつけましょう!」ってなるのかな~~、ならないか~~、と思ったレベルでした。


んでさー、アータ、ジェンダー論の専門家なら、この小説の中で、というか、この事件の中で、女性が酷い目に遭った、ということについて、社会的、構造的な背景にはこういうことがありますね!とか(東大について触れるのが辛かったら、一般論でいいから)解説すればいいのに、そういうのひとこともなし。


まさに、林香里さんが「東大という記号」について、社会的な考察を、この事件、この本を契機にやってみましょう、って言ってんのに、


「東大という記号が出てきた途端に、東大という記号にメチャ反応してしまい、東大という記号にからめとられてしまい、“東大という記号について考える“という客観的な行為ができなくなった人」


の姿を、はからずも見せてくださった瀬地山角さん、そういうの、わたしの大好物な話です、ありがとうございます!!!


このブックトーク、映画にしたい!

すごーくシブいコメディができるぞーーー!!!


文藝春秋の島田さんは、さすがプロの本読みなだけにコメントがまともで、しかも大人で、面白かった。

「いや、あれを読んだ人は、東大生がみんなこんなだ、とは別に思わないと思いますけどね…^_^

(会場、同意の笑い)

(瀬地山氏、苦笑しながら「いやいやいやいや)」


そんなひどい合間に、「ちゃぶ台返し女子アクション」の大澤祥子さんから、学生向けの「性的同意を確認するのはとっても大事だよ!」というパンフレットやワークショップの紹介があり、これはほんと素晴らしく、わたしも配りまくりたいと思ったが、本来このブックトークはそういう趣旨で企画されたんだよね?と我にかえると同時に、「性的同意の大切さは、もちろん瀬地山先生のジェンダー論の授業でも強調されていますね」瀬地山「もちろんです!」とかなって、フランスのコメディ映画みたーい、って思った。


そして、終わった後友だちと話しているうちに気づいたのは


瀬地山さんは、「僕たちの東大をわるく言うな!“貶めるな“!僕たち東大生はそんなんじゃない!」という趣旨にとれることを怒りまくりながら言っていたし、そういう趣旨の男性らしき東大生のツイートも散見する。


で、これは既視感があるぞ?、と思ったら、

大日本帝国はそんな野蛮なことしてない!僕たちの日本をわるく言うな!“貶めるな“!僕たち日本人はそんなんしゃない!」という、慰安婦問題を扱うと不機嫌になる人たち、と同じだと思った。


共通点

・女性が性被害に遭っているわけだが、被害者の立場に立つ視点が抜け落ちている

・資料やファクトの正しさばかりを問題にしたがる

・自分たちの帰属している集団がけなされていると即断する、つーか、誤解する


すごく残念なかんじ。

しかも会場でもツイートでも、そう言ってるのは男性のみ。


「東大生だろうがそうじゃなかろうが、人間のことを人間として扱おうね!!!」

というシンプルなメッセージが、「東大という(あるいはその他、人に権威を感じさせる)記号」がからむと全然伝わんなくなる、ということがよくわかりました。


「東大の名誉を守りたい!」一心で、怒りもあらわにがんばった人が、一番、「東大の名誉」にとってマイナスな振る舞いをし続けてしまった、という面白い話でした。


本人たちだけが気づいてないところも、痛い


ちなみに、このブックトークのテーマは「東大の名誉」ではなかったです、特には。


あ、「東大の名誉」のために付け加えておくと(笑)、質疑応答のときに、東大の教員のかたが「この小説についてはリアリティ追求は大事なことではない。ただ、5人の東大生が性暴力事件を起こしたということは事実であって、それをみんなで考えるのは意義深いことだ。あまり文学を読んだことがない人は、何か文学論を読んでみては。」という趣旨のことを言って、会場から拍手が起きた(笑)

わたしも救われた。



わたしが、客観視のできる瀬地山氏だったら、この瞬間、恥ずかしくて死亡したと思う。